東大寺・二月堂の修二会と和菓子「のりこぼし」

この紅白の椿の花にも似た、和生菓子は見事なものです。
名づけて「のりこぼし」。



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ところで、大和・奈良では、
今、東大寺二月堂の修二会(お水取り)がクライマックスを迎えようとしています。

お水取りは、東大寺を開山した良弁僧正の高弟実忠が、752年に始めて以来、途絶えることなく続けられ、
今年で1259回目を迎えたと云います。

この法会は「前行」として既に2月の20日から始まっていて、
もうまもなく、3月に入ってからの「本行」が満行を迎えようとしているのです。



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修二会では3月の「本行」に備えた準備として、
毎年2月23日には「糊こぼし」つくりの「花ごしらえ」と云う作業があります。

この「糊こぼし」とはいったい何のことなのでしょう?
良弁僧正ゆかりの開山堂の庭に咲く、赤い花びらに白い糊をこぼしたような斑入りの椿(良弁椿)を模した、
紅白の和紙でつくった造花の椿のことなのです。
3月1日からの「本行」では、二月堂の内陣須弥壇(ご本尊を安置する場所)の四隅を飾ります。



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                  (椿・「のりこぼし」)     画像は「椿華園」のHPより

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                  (「花ごしらえ」の記事(2月23日夕刊から))


その二月堂の内陣須弥壇を飾る椿の花に因んだ和菓子、
それが、冒頭の和菓子「のりこぼし」なのです。

この和菓子「のりこぼし」は、江戸創業の奈良の老舗「満々堂通則」の銘菓で、この時期だけの期間限定の品なのです。花芯は柔らかめの黄身餡(白餡に卵黄を加えて練り上げたもの)、花びらは練切り(白小豆粉にもち粉と砂糖を加えて練り上げたもの)で、色鮮やかな紅に染めたものと白いのを薄く延ばして型で抜き、黄身餡につける(紅二枚白三枚)。 「花ごしらえ」の「糊こぼし」の椿に似てとても愛らしい。 
季節が感じられて、“この時期だけ”と云うのかまた嬉しいですね。

これを友に一服のお茶で天平の昔を偲ぶのも、また格別なものです。

中身の和菓子も美味しいですが、
椿が描かれた箱がまたいいですね。私はとても気に入っています。
(三個入りの箱は筆箱に丁度いいのです。)



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                  (「満々堂通則」の店先の造花「糊こぼし」)


二月堂では、昨日未明には「お水取り」の名前の由来となった、ご本尊十一面観音に供える「香水(こうずい)」を
くみ上げる儀式が行われました。

そして、今日14日は12日から始まった“走りの行法”達陀(だったん)のフィナーレです。
午後6時半頃、鐘の音とともに練行衆10名が10本のお松明と共にいっぺんに上堂し、本堂の舞台の欄干に
今日は10本全てのお松明が一気に並び振り回されます。

まさに“達陀の行”はクライマックスを迎えるのですね。
(今日は特に人出が多いので、早めに行かねばなりませんが、もう何度も見ましたので行きません。(笑))
火の粉を被って、この一年間の無病息災を願うのですね。



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                      (「春駆ける籠松明」の記事、13日朝刊紙から)


東大寺二月堂の修二会の「本行」も15日には満行を迎え、この法会も終わります。
「お水取り」が終わると、大和路にも本格的な春が訪れるのです。

そして、知人、「満々堂通則」のご当主も大忙しの「のりこぼし」づくりから開放されるのです。(笑)



<余計なお話>
今日は「ホワイトディ」。ちなみに、庵主はバレンタインのお返しに、この和菓子でお返しをしました。
来年のホワイトデイもこの「のりこぼし」でゆこうかなあと考えています。
「のりこぼし」のお返しがいいなあ と思う人は来年のバレンタインディには「庵主さま」あてのプレゼント方、よろしくお願い致しま~す。(笑)

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この記事へのコメント

bigot爺
2010年03月14日 16:22
「のりこぼし」写真で、しっかりと味あわせて
頂きました。

ホワイトデーに“和菓子”とは、、、
思いつきませんでした。
迷った挙句、孫には昨日“ロールケーキ”を
届けました。
来年はこれで決まりです!

2010年03月14日 16:33
こんにちは!
きれいな和菓子のお写真とともに、いろいろなお話をうかがってお水取りのことが良く分かりました。
こちらに住んでいましてもこのニュースを見ると、いよいよ春到来…とうれしくなります。
椿の名所「椿山荘」にたくさんの椿を見に行きましたが、糊こぼしがあったかどうか。
今度行った時に気を付けて見てみます。
ホワイトディに洒落たプレゼントですね。
来年のバレンタインディのこと、今から考えなくては…(笑)
庵主
2010年03月14日 21:10
bigot爺さん、こんばんは。
コメント有難うございます。いよいよ「お水取り」も終盤を迎えましたね。
奈良の「もちいどの商店街」を入って直ぐの所、今「満々堂」さんは「のりこぼし」で大賑わいしています。なにせ、今の時期にしか買えませんからね。
地元の人より、意外と他府県からのお客様が多いそうです。
美味しい生菓子ですよ。抹茶で頂くのには最高です。
来年の「ホワイトディ」にはマシュマロを添えてお贈り下さい。

庵主
2010年03月14日 21:40
うふふさん、こんばんは。
コメント有難うございます。地元では例年のごとくごく当たり前の風物詩的なことですが、この「お水取り」が済まないと大和は春が来ないのですね。
椿の「糊こぼし」は紅白の斑入りでも、赤い花弁に白の斑入りなんですね。「椿山荘」にもきっとあるでしょう。
「のりこぼし」のプレゼントはホワイトディにはタイムリーですね。練り切りの生菓子ですが、どこにでも、何時でもなくて“今の時期にしかない”と云うのがまたいいものですね。(笑)
2010年03月14日 22:14
お水とりが終わると春とは聞いてましたが、こんな詳しい行事は知りませんでした。
古都の優雅な行事を教えていただきました。
花より団子の口ですから、一度のりこぼしを味わってみなきゃいけませんね。
今年はもうお終いですね。
インターネットで調べて見ます。
庵主
2010年03月14日 22:48
ハッピーさん、こんばんは。
コメント有難うございます。「お水取り」が終わると春が来る。とよく云いますね。
中でも“走りの行法”の本堂舞台の籠松明ばかりが目立つようですが、11名の錬行衆は二月の中頃から行に入っているのですね。
花より団子は庵主も一緒です。(笑) 関東方面へも宅配はしています。但し、生菓子で賞味期限2日ですから、到着当日賞味と万が一形が崩れるのをお覚悟の上でならばとのことのようです。今年は15日までです。
お茶請けには最高ですよ。来年にはぜひどうぞ。
2010年03月15日 07:44
気持ち玉有難うございました。
来年の楽しみです。
いつも美味しい物を教えていただき有難うございます。
昔、琵琶湖の鱒寿司を頂いて美味しかったのですが、今も手に入りますか?
小説の中にお店の名前が書いてある?
作者の名前忘れました。
忘れっぽくて困っています。
2010年03月15日 19:02
ホワイトデーを忘れていて 怒られました。(笑)
のりこぼし 一度賞味したいですねぇ。
でも 食べずに 見つめ続けていたい気もします ♪
2010年03月15日 21:50
和菓子の「のりこぼし」とてもきれいです。
ツバキにノリコボシという種類があるのですね。
また東大寺のお水取りのことも詳しくありがとうございました。
何年か前 東大寺に行ったのですが お水取りの場所が少し
坂のようになっていて あんなにたくさん人が集まってよく何事も
ないことと感心した覚えがあります。

和菓子が入っている箱のツバキがが 人吉の民芸品の花手箱にとても
似ていてあれっ?と思いました。
ツバキですもの似ていていも不思議はありませんね。(笑)

来年のバレンタイン ちょっと楽しみです。(笑)
庵主
2010年03月16日 11:33
ハッピーさん、お早うございます。
度々どうも。「のりこぼし」の販売期間は昨日まででしたね。来年はぜひご賞味下さい。2月の中頃から発売しております。
琵琶湖の鱒寿司ですか?米原の近くに醒ヶ井と云うところがあってそこには有名な養鱒場があります。周辺に鱒料理を食べさせてくれる店がありますがそこらあたりのことでしょうかね。鱒寿司が出てくる小説?存じ上げません。
琵琶湖は「鮒寿司」も有名ですね。
庵主
2010年03月16日 11:39
ログの大好きな徳さん、お早うございます。
コメント有難うございます。ホワイトディを忘れていたのですか?それは好くありませんねぇ。でもよくある話です。誰に貰ったか忘れてしまったりしてね。(笑)
「のりこぼし」柔らかくて美味しいですが、眺めているのも綺麗でいいものです。何処にでもない、何時でもないのがまた好いですね。
庵主
2010年03月16日 11:52
primroseさん、お早うございます。
コメント有難うございます。紅い花弁に白の斑入りの椿は、赤い生地に白い糊を零したような状況にみえることが名前の由来のようです。
二月堂の舞台の下ではお松明が出る日は、火の粉を被って縁起をかつぐ人で大賑わいです。舞台の直ぐ下は芝生になっていますが今では立ち入りが禁止されています。

熊本人吉の「花手箱」のことは知りませんでしたが、早速、webで検索してみたら確かに花の意匠はそっくりですね。少々驚きました。ひとつ賢くなりました。(笑)
2010年03月16日 16:11
お水取り法会は1259年もの長きにわたり守り継がれてきたのですね。
人々はお水取りの終わりを基準にして春の訪れを感じ、この時期の挨拶の決まり文句になっていますね。でも関西だけかしら・・・?

「のりこぼし」のお返しなんて洒落ていますね!
2010年03月16日 19:57
今晩は。
「のりこぼし」・・・好いですね。
庵主さんにバレンタインのチョコ・・・それだけでも嬉しいですよね。
お返しができる喜び・・・また格別ですこと。
子供の頃は近かったので、お松明の12日は芝生の下で、
火の子を被っていましたよ。
最近は柵がしてあって・・観光化されたのですね。
15日は必ず達陀帽いただかせは欠かすことなく、
連れられたものでした。
懐かしい想い出に浸ることが出来ました。
庵主
2010年03月17日 21:25
mugenさん、こんばんは。
コメント有難うございます。1259年もの間一度も中止されてないなんて凄いことですね。
お水取りと春の訪れ、やはり近くに住んでないとピンと来ないのでしょう。他の地域ではどんことがあるのでしょう。調べてみると面白いでしょうね。
ホワイトディと「のりこぼし」、タイミングが好いですね。
庵主
2010年03月17日 21:32
やろいさん、こんばんは。
コメント有難うございます。「のりこぼし」とホワイトディ、何処にでもない、何時でもないでグットタイミングです。(笑)
子供の頃はお近くにお住まいだったのですか?メジャーになればそれだけ注目をあびて人出も多くなりますね。いいのか、悪いのか?
昔はもっとのんびり、ゆっくり参拝できましたものね。
2010年04月19日 14:58
興味深いお話でした。
「のりこぼし」待ってま~す。
ホワイトデーは偶然マンデルの誕生日です
その前にバレンタイン送らなくちゃあね!